今のところの理想の経営者像が見えてきた

経営者とはどういうものなのか。

 

色んな本に書いてあるし、色んなことを言う人がいます。

ただ、会社法やら会計などの法律上決まっていることは学んだものの、過去のケースや色んな専門家や経営者の意見にはあまり左右されたくない(自分で考えたい)性格なので、この2年間自分なりに考えてきました。

 

多分世の中的にはカリスマ性があるとか超優秀で頭の良いとか、経営センス?がある人とかが経営者に向いてたりするのかもしれないが、自分の理想の経営者像はなんか違うように想う。。。

 

なお、ここでは経営者と株主は切り離して考えたいです。

KICONIA WORKSのメンバーに株を持ってるから賞与(ボーナス)あんまいらないとか言うんでしょ?って言われて、少し腹立ったというのもあり、このブログを書こうと思っただけなので複雑な話ではない。。。

ちなみに株数とかに短期的には興味がない。。。会社法上必要だと思う分持っていれば良いだけ。(やることやってりゃ勝手に価値は上がるし)

 

理想像を語る上で、2つの切り口があります。

 

1つ目は、メンバーあっての組織であって、その「人」がいるからビジョンやミッション、目標が達成されるとともにお客様や少なからず少し世の中に対して良いインパクトを与えられていると思っています。

逆に言えば、メンバーがいなければ何もできないかもしれない。つまり一緒に働くメンバーは経営者の自分にとって最も重要なステークホルダーでありお客様は一緒に働くメンバーなのかもしれないとも思っているのです。社内に説明で使う資料や発言が一番気をつけている。。。

 

それを踏まえて2つ目。

昨年4月から娘が小学校に通い始めて、娘と登校した時や入学式などで小学校の先生に会います。個人的には担任の先生よりも校長先生に注目していました。非常に優しそうで、でも責任感に満ちた言動に非常に好感が持てました。入学式では子供達や父兄に対して小学校の方針や何ができるかを説明し、よく朝校門の前で子供たちに挨拶をしています。

彼の行動を見ていてこういうのが理想の経営者なのかもしれないと思うようになっています。

つまり各担任の先生はうちの会社でいうと一緒に働くメンバーであり、子供達や父兄はお客様であったりするわけです。

結局メインでお客様に価値を出してくれるのは一緒に働くメンバーです。小学校で言えば担任の先生や特定科目の先生です。校長先生はそんな先生たちを影で支えつつ、お客様である子供たちや父兄に対してわっかりやすく決まった方針を伝え、挨拶などをして模範となる行動をとっているのです。

もちろん校長先生も元々は何か特定の科目の先生だったりするのかもしれないが、その科目のスペシャリストになったわけではなく、そうしたスペシャリストが働きやすいように裏で動く、意思決定するのが校長先生、私の思う経営者なんじゃないかと思うようになりました。

加えて、我々みたいな小さな組織では総務など細かいことに関して人をわざわざ貼り付けることはできません。なので私は総務的なこともやらなければならないと思っています。つまりオフィスの働く環境の整備もする必要があると。

そう考えると現在の組織における私の理想的な経営者像は、「校長先生+用務員」という感じでしょうか。

そう考えるとなんだか納得したのでした。。

 

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ということで、まとめると

私は「校長先生+用務員のおじさん」のような経営者になりたいなと思っています。そりゃ組織の代表として人前で話すことは多いポジションかもしれませんが、だから凄いかというとそうではなく、あくまで現場で働く先生方、つまりは一緒に働くメンバーが働きやすい環境を作り続けることが重要であり、最後の責任をとることが重要であり、常にお客様、従業員におもてなしをするってことが大事なんじゃないかと思うわけです。

 

そう考えると、「なぜ私がボーナスをそんないらないと思うか」が理解してもらえるんじゃないかと思います。

つまりみんなが働きやすい環境、そして良い報酬をもらうことでまた良い価値をお客様に出してくれるならそれで良いし、個人的にはみんなに稼がせて(食わせて)もらっている感覚が強いので、そんなみんなに高い報酬ややりがいのある仕事とかを与え続けないといけないから、自分の報酬よりも他メンバーの報酬が重要なのです。

 

まあ理想像は変わり続けるとは思いますが、今想うのはこういう理想像なのです。

2期目終了と感謝

本日2020年4月30日をもって、KICONIA WORKSは創業2期目が終わりました。

 

正直1期目はよく分からない中、個人事業主の延長に近い形でとにかく目の前にいるお客様に一生懸命価値を届けていこうという想いだけでやってきましたが、2期目はしっかりと目標と戦略を定め、ワンフロアのオフィスを構え、人員も増員してきて、会社(好きな言い方ではない)っぽくなってきたなと感じます。

 

1期目をなんとなく成功させてきた中で迎えた2期目。スタート時はやはり不安定でした。

創業期のように銀行に1桁万円しかないなんてことはなく 4桁万円はあったものの、マーケティングもPRもほぼやっていない我々にお客様は声をかけてくれるのか等不安だらけでした。

とはいえ、1期目に真摯に顧客課題に向き合ってきた結果が支えてくれました。つまり2期目上半期を支えてくれたのは1期目から継続のお付き合いをさせていただいているお客様でした。

本当に有難い。そして、そういったお客様からの信頼を得られたのはKICONIA WORKSのメンバーのおかげ。本当にありがとう。

 

そして2期目の下半期。ここも本当に忙しかった。嬉しい悲鳴というやつです。

その多くのお客様がパートナー企業からの紹介や、創業期色々お話をしていたお客様が社内調整を1年近くしてついに一緒にお仕事ができたといったケースでした。

焦らずやるべきことをしっかりやっていれば、報われるのかなと痛感しました。

パートナーの皆様にもお声がけいただいたお客様、そしてやはり無理難題もある顧客課題に一生懸命取り組んでくれたKICONIA WORKSのメンバーにも感謝です。

 

お客様の業界はバラバラ(20近いプロジェクトをやっていておそらく同じ業界のプロジェクトがない)、ベンチャー/スタートアップから上場企業まで様々。

これだけ多岐にわたるお客様に価値を届け、継続や紹介といった信頼を得ていることは誇らしいことだと思います。

 

決算がちゃんとしまったら、PLなどの話も赤裸々にしてしまおうかと思いますが、2期目も無事黒字で終わりました。

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売上は一つの区切りでもある1億円を大きく超えました。利益もちゃんと出たので法人税をちゃんと払います。

赤字が良いとか、利益出すくらいなら低価格でやれとか言われそうですが、個人的には営利団体である以上利益は出すべきであり、(税金高過ぎと思うけど)国にちゃんと税を収めるべきだと思っています。そして社内の効率化やナレッジシェアを促進してプロジェクトはより低価格&高価値になってきているところもあります。そして何より無借金かつ従業員の自己資金だけでやっている中で、会社を存続させる為には利益を出さなければならないので、ご了承ください!

 

そんな中、セキュリティ面や働く環境の強化、そして人員拡大を理由に4月にオフィス移転をいたしました。

本当に良い場所で良い物件に巡り合え、かっこいいオフィスになりました。

 

しかしながらコロナでリモートメインになった為、オフィスは本来の機能を果たせておらず、家賃が無駄に消えていく・・・そんな風にも考えられるかもしれません。

 

ただ、個人的にはリモートワークがメインになることでよりオフィスの重要性にも気づくところもあり、早くコロナが落ち着いて、みんなの第2の家のようなオフィスでみんなでワイワイ仕事がしたいところです。

そしてお世話になったパートナー企業や顧客企業の皆様に御来社いただき、皆さんのおかげでここまで成長できたことを直接感謝申し上げたいです。

 

来期も価値と信頼の最大化(本当はビジョンが数式で少し複雑)というビジョンを達成し、その結果お客様や関わる方々に価値を届けていきたいと思います!

コロナの影響で大変な時期ではありますが、そんな中でも低価格orリスクのないプロジェクト推進によってAIなどの新しい技術を使った挑戦&投資ができるAI業界初の取組みもしていく予定ですので、是非何か相談があれば気軽にご相談ください!!

引き続き宜しくお願いいたします。(4/30 11:55・・・なんとか今期中に書き終えた)

 

下記は新オフィス紹介の写真(移転直後なので今はもっといい感じ)

 

一部前のオフィス家具を流用し広々したスタイリッシュな執務室に

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執務室へ繋がる廊下はロッカールームに。密かにLED照明が埋め込められている

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バーカウンターも前オフィスから流用。ここから酒がいっぱい出てきます。

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打合せスペース(前のオフィスより会議室っぽい)

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ダラダラ休憩するスペースもだいぶ広くなったのでデスクでご飯食べなくなるかと

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ちなみにいつもテラスからGoogleさんやmixiさん、Cyberさんのビルを見上げてます。

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「人を採用する」こと

創業した約2年前に比べると人が増えたなぁと。。。

手狭になり、新しいオフィスへの移転も決定し、ようやく会社らしくなってきた(とはいえ、会社っぽくしたくないのですが・・・)ように思えます。

それとともに、人を採用することの難しさや責任感など色々考えさせられます。

なお、ここでいう「難しさ」は、「良い人を採用ができない」という意味ではありません。

よく企業は上記のこと「難しさ」というのが多いですが、我々はそもそも大量に採用を考えていないし、超優秀とか凄い良いマインド(想い)を持っている人を見つけたら採用するというスタンスなので、よくある採用の「難しさ」は感じていないです。

 

採用の「難しさ」

我々にとって、これを人をコストでみた時の話です。

KICONIA WORKSという組織で発生する費用のおよそ9割弱が人件費、もしくはそれに付随する費用です。

少数精鋭の中で人を採用するというのはこうした9割を占める費用、固定費を増やすことになります。売上や将来の見通し、戦略から諸々考えていくもののやはり「人を採用する」というのは非常に難しいと感じます。

 

採用することの「責任感」

これは今までの会社でもずっと思っていたことですが、「人を採用する」ということはその人の人生を楽しいものにするという「責任」を組織は負うべきだと思うし、もっと言えばその採用された方の家族も含めて「責任」を持つべきだと思っています。

我々はまだインターンなども含めても15人にも満たない組織ですが、その家族も含めたら30人以上の人たちの人生に対して「責任」を持っていると思っています。

そう考えると恐ろしいなと思うし、身が引き締まるし、そんな沢山採用するなんて出来ません・・・。基本臆病であり、保守的な人間です。(そう思われないけど)

 

もちろん自分の人生だから会社や組織に依存せずにやっていくぜという自立した人は多いし、KICONIA WORKSのメンバーもそういう人が多いけど、それに甘えている組織ではダメだと思うし、もっとメンバーが働きやすい、そして人生を楽しめるように能動的に考えていかなければと強く思っています。

そして考えれば考えるほど怖くなり、採用なんて出来なくなる。。。

 

話は変わって

なぜ「人を採用する」のかという話

いくつか理由はあると思いますが、よく現状の自分の業務が増えてきて辛くなってきたからアシスタントを採用するみたいのは、多分一生自分は出来ないんじゃないかと思う。

そういう考え方の場合、自分が出している価値は同じなのにコストだけ増えるということが多いと思うからです。そうすると辛いけどやってしまえば良い、誰かにお金払うくらいなら自分がちょっと無理してがんばりゃ自分のお金になる!なんて考えてしまいます。

自分が人を採用するのは、自分(今の組織)には(能力的にも時間的にも)出来ないことを実行して価値を出してくれる人を見つけた時です。

つまり新しい価値を出してくれる人であり、価値を創出すると顧客から信頼や価値(対価)をいただけて組織は成長します。

そんなことを考えながら「人を採用」しています。

 勝手に「オペレーション型」の採用ではなく、「価値創出を意識した」採用にしたいなと考えています。

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そして、個人的には社長なんてもんは仕事が出来ないほう(出来ないと思っている)がいいんじゃないかと思います。

(できるできないの定義が重要ですが、ここでは割愛)

出来ると思っている人は自分が何でも出来ると思っているので、他人の力を借りる時に自分より能力のある人を採用しにくいんじゃないか。

逆に自分が出来ない(出来ない部分を知っている)人は、他人の力の借り方が上手く、自分より能力の高い人や価値を創出する人を上手く使って大きな価値を出せるんじゃないかと思います。

勿論ビルゲイツとかスティーブ・ジョブスとかは別格かもしれないけど・・・。

 

自分は本当他のメンバーにメシを食わしてもらっている感覚が強い。みんながいなくなったら何の価値もない組織。

じゃあ何するか。

みんなが働きやすくて楽しい人生を送る為に出来ることを考え続ける。

結局これ。。。

そしてこれがKICONIA WORKSの考えるビジョンの一つである社員への『信頼』の提供なんだと。。。

これが価値と信頼か

怒涛の日々を送っており、1ヶ月ブログ書けず。。。

昨年に引き続き1〜3月は怒涛の忙しさです。

決算は4月なので4月にゆっくり振り返りをしつつ決算の締めに向けた作業や来期の戦略などをじっくり考えつつ、社員やその家族への感謝の気持ちを込めて社員旅行行ったり、オフィス移転したりしたいと思います。って考えると4月も3月までとは違った意味で謀殺されそうです。。。

 

さて、直近でKICONIA WORKSらしいなあ〜ということがあったので久しぶりに書きます。

機械学習のプロジェクトの落とし穴でもあるので参考になればなと思います。

 

あるお客様から画像分類のご依頼をいただき、学習データセットを収集いただき、

プロジェクトをスタートしました。

いただいたデータを使ってCNN(深層学習の手法)で学習させ、分類するAIモデルを作るというお仕事なわけですが、このデータセットに大きな落とし穴がありました。

それは普通誰も気づかない本来あるべきで無い特徴量が含まれていることです。

詳細は伏せますが、例えばX、Y、Zの3つに分類するタスクに対し、ある部分(特徴)を見ればその分類が超簡単にできてしまうものの、その「ある部分」というのは本来(本番環境 / 推論時)のデータには無いものであり、今回の検証用学習データにたまたま入っているだけなのです。ターゲット漏えいとかleakageとか呼ばれるやつです。

 

この時、こうしたAIのプロジェクトを進める場合に、AIの開発会社は3つのタイプに分かれると思いました。 

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1. 気づかない

1つ目はそもそも、その特徴量に気づかずに学習させ、「精度99.9%です!すごいですね〜」と納品する会社。

これが一番多いと思います。というのも弊社も正直プロジェクトの過程で気づけたとは思うものの初期で気づけたのはたまたまな部分もあり、実は多くの会社が気づかずに学習させて精度良いです〜って報告する気がします。

もちろん、この場合PoCで上手くいったのに本番環境ではその特徴(ある部分)が無いわけですから、精度がガタ落ちとなり、大きな問題になってしまうでしょう。

ただ、AI開発会社からすれば、顧客からもらったデータが悪かったのだから仕方ないでしょという言い訳もできるでしょう。正直悪くは無い。。。ただ、気づけなかったセンスの無さは認めなきゃいけないかもしれません。

 

2. 気づいても隠す

2つ目は一番タチが悪いのですが、気づいたのにそれを顧客に伝えずにプロジェクトを進行して、「精度99.9%です!」と伝える会社。

顧客からもらったデータでちゃんと学習させたのだから問題ないっちゃ問題ないのです。

正直、隠せば変な思考や作業をしなくて良い精度が出るわけですから、楽にプロジェクトを成功させ儲かるので。。。

でもこれは誠実さに欠けるなと。。。中長期的に見たときには信頼を失ってしまうのではないかなと思います。

 

3. 気づいて伝えた上で対策を打つ

3つ目は今回我々のとった行動です。

気づいた上で、このままではまずいことを正直に伝えました。それだけでなく現段階で考えられる最大限の対策を考え、いくつかのアプローチでこの問題を避けて良い学習をさせることを考えました。

結果はやってみなければ分かりませんが、偽りの精度100%よりも誠実に出した精度を報告したいと思います。

正直プロジェクトの難易度はワンランク上がり、やることも増えましたが、こんな状況でもやってやりましょう!と言ってくれるのが、ウチのメンバー。ホント頼りになります。。。ありがとう。

 

この3を選択した、できたことがKICONIA WORKSらしいなと思ったわけです。

まず、この問題に気づけたこと。これは機械学習関連のプロジェクト数多くこなしてきた熟練者だからこそだと思うし、改めて能力の高さや知識の豊富さを感じます。これぞKICONIA WORKSの提供する価値の一つだなと。

次に、気づいたときにそれを顧客に正直に伝える誠実さ。これが顧客との信頼関係を構築する上で本当に大事だと思いました。そして対策を瞬時に考えられるところにも顧客価値を感じます。

 

毎週のように様々な業界の方からお問い合わせをいただけるようになり、有り難いです。この忙しさを言い訳にして真実から目を背けたり、雑な仕事をしたりしないように今後とも注意していきます!

サッカー森保ジャパンを企業経営から考える

サッカー森保ジャパンが本来であれば東京オリンピック予選になる大会を予選連敗で敗退でした。

開催国なので、出場はできるものの本来ならばオリンピックに出れない。

そして何より試合内容が酷い。。。

 

ということで、企業経営という側面から森保ジャパンを考えてみたら、やっぱダメだと思った。

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企業経営において、ビジョンとその浸透がいかに重要か身にしみて感じる。

その企業が何者なのか、何を達成したいのか、これが分からないと企業として何をすべきか分からなくなるし、従業員も採用できないし、採用できたとしても良くない方向になることが多いのではと思う。

森保ジャパンからはこのビジョンを感じない。例えば、現在コンサドーレ札幌ペトロビッチ監督のサッカーには明確なビジョンがあるし、海外ならバルセロナにもそういうものがあり、バルサと言えばこういうサッカーみたいなのがある。

そしてそういうビジョンを実現できる選手を獲得するわけだが、森保ジャパンにはそれを感じない。実はあるのかもしれないが、それが明確に公表されないていないし、プレーからそれを感じないということは浸透していないのではないか。

 

次に企業にはステークホルダーと定めた目標があり、その目標を達成するために戦略がある。森保ジャパンで言えば東京オリンピック金メダルだが、今回予選で負けたので本来ならばオリンピックに出場はできず、目標未達成なわけだ。仮に開催国で出れるので、今回の予選は練習試合に使いましたというのであれば、その戦略や金メダル獲得への道筋(戦略)を示す、もしくは期待させるべきだが、残念ながらない。。。

 

企業では戦略を実行するために組織と従業員が重要となる。戦略を実行し目標を達成できる組織を作り、そこで活躍する人材を採用・育成することが求められる。

森保ジャパンは、(所属チームとの交渉はあるものの)各チームから選抜された選手を召集できるという素晴らしい環境にある。通常のチームはチームの予算などから考えた時に厳しい場合もあるのに。

しかしながらビジョンや戦略がない中で、どんな選手を召集しどうやって使えば自分たちのサッカーができ目標を達成できるかが分からないように思える。結果、森保監督が扱いやすい選手を召集したり、ちょっと活躍した人をすぐ召集するのみに留まっている。

以前オシム監督が日本代表監督になった時に彼は明確なビジョンと日本人に合わせた戦略を持っていた。結果彼が召集した選手にはかなり驚かされた。そもそも人数は10人ちょっと、同じような役割の選手ばかりでもあった。しかし、これがオシムの戦略であり、これを体現できる選手がその選手たちだったのであろう。驚いたが、明確な考え方は好感的だった。

 

また、企業には株式会社の場合は株主がいる。上場企業となれば一般投資家を含めた多くの株主がいる。彼らを納得させなければいけないし、それができなければ彼らから経営者は解任要望を受けて解任されることもある。

森保ジャパンの場合、株主にあたるのはサポーター(世論)なのではないかと思う。twitterなどのSNS、ニュースサイトを見れば明らかだが、森保ジャパンを肯定している人はほぼいない。

企業経営ならば、株価は暴落し、株主から解任の要望出て、経営者は責任をとって解任されるレベルだろう。

しかしながら現状森保監督の解任報道はない。既得権益に守られていたり、日本サッカー協会という、いわば取締役会のような組織に守られている。

唯一ここに風穴を空けられるのはスポンサーであるアディダスやキリンだろう。彼らはサポーターだが、スポンサーという形で株主と同じようにお金を出している。彼らがNOと言えば、協会も動くでしょう。

 

株主(サポーター)を代表し、スポンサー企業には頑張って欲しいものです。

 

企業経営では当たり前のことが他では出来ていないことが多いなと感じることも多い今日この頃です。

2020年AI業界どうなるか勝手に推測

色んなところでAI業界は幻滅期に入るとか、これからだとか色々書かれてますが、実務レベルで今まで100以上のAI関連のプロジェクトに関わってきた身としては、ちょっと違った視点でこの業界のことを捉えています。

 

まず、普及学の基礎理論として知られるエベレット・M・ロジャーズのモデルでは、新しいものやハイテクなものが普及していく顧客を「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つに分けています。

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https://www.itmedia.co.jp/im/articles/0706/01/news142.html

また、「イノベーター」と「アーリーアダプター」に普及すると新技術や新流行は急激に拡がっていくとされているようです。

 

このように考えると、AI(機械学習)の導入に関してはこんな感じなのではないかと思っています。

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例外はあれど、実際に本格的にAIへの取り組みを開始した企業(イノベーター層)は2016年くらいから始めたところが多い印象です。

その後、遅れてアーリーアダプター層が2017年頃からPoCを開始していき、その後アーリーマジョリティ層が続いていったように思えます。

アーリーアダプター層が2017年から取り組みを開始したことを考えると、AIの普及は2018年頃から加速しており、2019年は多くの企業が取り組み始めていると言えます。

 

2019年、どうだったかと言うと、イノベーター層は実務レベルで成果を上げているところと、一旦AIの本格導入を断念し始めているところに二分化し、アーリーアダプター層は実務レベルでの導入を進める企業となかなか上手くいかずAIへの不信感が出てきている企業に分かれたような印象です。また、2018年あたりから取り組みを始めたアーリーマジョリティ層も少し成功が見え始め、更に拡大させたりしようとしている企業となかなか上手くいかない中で模索を繰り返している企業に分かれたのではないでしょうか。

 

2020年、私の推測では、2016年頃から先んじて取り組んでいるイノベーター層の企業は、事業の様々なところにAI導入を展開していったり社内の教育に力を入れていくのではないかと思います。

また、アーリーアダプター層の企業は実務レベルで成果(利益向上など)を出し始めるのではないかと思います。こういった成果が出始めると、更なる導入や内製化に向けた動きも進むでしょう。

これだけでもAI業界は盛り上がると思いますが、アーリーマジョリティ層がもある特定分野では本格的な導入が進むと思われ、2017〜2019では様子を伺っていたレイトマジョリティ層が2020年にはPoCを開始するのではないかと思います。

そうなってくると、2020年もAI業界は盛り上がり、KICONIA WORKSとしても引き続き様々な支援ができるのではないかと考えています。特に実務レベルで導入しようとしている企業やPoCをやろうとしているところの支援を進めていければと考えています。

 

ということで、いわゆるガートナーの幻滅期というのは個人の感覚ではあまり感じてはおらず、もしかしたら「幻滅期」の概念が違うのかなぁとも思うようになりました。

表にもある通り、やはり成功しなかった(上手く導入できていない)企業も多いのは事実で、こういった事例ばかりが世に出ると幻滅期と感じるだけで、「幻滅期」の裏で「安定期」に向けた成功が多く生み出されるのではないかと考えていますし、そうなるように努力してきたいと思います。

 

2021年はまたどうなるか分からないので、引き続きKICONIA WORKSとしては次なる施策や社内の様々な面でのスキルアップをはかっていきたいと考えています。