休暇やイベントの考え方

2018年5月に起業してから、2度目の年末を迎えています。

昨年に引き続きKICONIA WORKSはクリスマスを前にオフィシャルには冬季休暇に入っております。

 

顧客志向を掲げているのにも関わらず、顧客企業の大多数が27や28まで営業している中で、なぜ早期に休みに入ってしまうのか。それを書いておきたいと思います。

 

何度も書いてますが、我々のビジョンは「価値と信頼の最大化」であり、これは対お客様、そして対従業員、それぞれに目指していることです。

日々お客様とのプロジェクトでは、お客様それぞれにとっての価値(利益や知識の獲得)を最大化するように努め、その結果互いの信頼を最大化することを目指しています。

その一方で、時に忙しい時期もあり、働くメンバーにとっては時間を惜しまず働く時もあったりして、なかなか自分の時間を過ごしたり家族と時間を過ごしたりすることができないこともあるでしょう。

 

なので、KICONIA WORKSというか私の方針で、夏は1週間くらい休んで実家に帰ったり家族や友人と旅行に行く、年末年始も実家に帰ったりゆっくり本を読んだり映画をみたり友人と語らい合う時間を取るということを推奨しています。

なので早期に冬休みに入ってもらうようにしています。

 

更に今年度も企画していますが、社員旅行は毎年我々の決算月である4月に行きます。

ここは従業員の家族も参加です。

中には社員旅行なんて面倒って人もいるでしょうから、基本は旅費は会社負担で自由行動。夜の宴会だけはみんなで美味しいご飯を食べるという感じです。

とはいえ、昨年度は宴会以外の時間も自分の家族以外のメンバーとボーリングしたりプール行ったり運動したりしていましたので、いいチームだなあと思いました。

 

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忘年会も家族参加で子供たちが騒がしい

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1年通じてこんな感じ



ということで、12月24日〜1月5日までKICONIA WORKSはお休みをいただいています。

 

ちなみに休暇はいつとってもいいので、メンバーによってはプロジェクトの合間に夏や冬以外で1週間休んだりもしているし、他人に迷惑をかけず自分で仕事をコントロールできれば休みなんてどれだけ取ってもいつ取ってもいいんですがね。

 

さて、とは言いながら、12/26の現在も会社のSlackは議論で溢れ、お客様からのメールも届き、対応しちゃいますけど。。。子連れで出張してますが。。。1日1〜2時間仕事しながら年末年始を家族や友人と楽しく過ごしています。

 

それでは、本年もありがとうございました。

来年もどうぞ宜しくお願いいたします。皆さん良いお年を!

(と言いつつ、年末年始に思いつきでまた書くかもしれません)

我々みたいな弱小企業が断るという選択肢を持って良いのか

年末で忙しくなっている方々も多いかもしれませんが、我々KICONIA WORKSの中は12月は少し落ち着いている。

というよりも年明け1月からの怒涛の忙しさに戦々恐々としております。

 

おかげさまで、今までの実績が認められリピーターや口コミで聞きつけた方々からの依頼が殺到しており、1〜3月は手一杯な状況でこれ以上過度にプロジェクトを増やしてしまうと品質への影響、開発中の自社サービスへの影響が出てきてしまいそうな状態です。

なんとか稼働を調整して、現在お話をさせていただいているお客様は対応したいと思っています。

 

今まで、AIなどのPOC、システム開発のご相談をいただく中で、「それはやめた方がいい」とか「我々ではなく、XX社に依頼した方が良い」とった形でお断りをしてきたことはあるのですが、「稼働がいっぱいで・・・」というお断りはしたことがありません。

KICONIA WORKSに関わるメンバーのみんなは「書上が勝手に案件取ってきやがって」とか「こんなの無理に決まってんだろ」って言う人もいるかもしれないけど、折角我々を見つけて問い合わせ・相談してきてくれているお客様になんとか貢献したいという想いが強くて、ギリギリ対応してきました。

 

ですが、今回ばかりはいよいよ断らなくてはいけないかもしれません。。。

 

そこで考えてしまうのが、題名にもある『我々みたいな弱小企業が断るという選択肢を持って良いのか』ということ。

弱小企業のくせに仕事選んでんじゃねえよと言われてしまうかもしれません。

ここがいつも頭をよぎってしまうんですが、ここ数週間で我々のビジョンを考えた時に、これは仕方ないと思うようになりました。

 

我々のビジョンは『価値と信頼の最大化』(正式には左記を数式で表したもの)

 

そしてこのビジョンを達成する相手は「お客様」と「従業員(&その家族)」です。

おそらく稼働工数パンパンのなかで無理をして対応してしまうとプロジェクトのクオリティが下がり、結果としてお客様に本来の価値を届けることができず、お客様からの信頼も失ってしまうでしょう。

また、疲労困憊の中で働くということは従業員に対して、楽しく働くことなどの価値を提供できないことになるであろうし、その結果従業員からKICONIA WORKSに対する信頼もなくなってしまうでしょう。

 

多少のストレッチ(背伸び)は組織や個人を成長する上で必要ですが、身の丈に合わない自分たちのキャパ以上のことをやってしまうと悪い方向になってしまい、結局誰に対しても価値と信頼を最大化できないと考えました。

結局、バランスが重要なのです。しっかり自分たちのビジョンを達成しつつ会社を存続させる為には。。。 

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こういった背景から、時には『断る』という選択肢を持つようにしました。

 

じゃあどんなお客様を断るのか。

自分たちでは価値と信頼を最大化できないと判断した時は勿論で、稼働がいっぱいの時に断るわけですが、そうなると結局契約の先着順になってしまいます。

なんかこれも弱小企業のくせにという感じですが、弱小企業だからこそ先着順にしなければならないのです。

 

2ヶ月後に契約するねという言葉を信じて(信じたい)、そのお客様の為に稼働を確保して待ち続け他を断っていたのに、そのお客様が2ヶ月後にやはり契約できなくなったと言われたら。。。

はい、会社は数ヶ月分の売上を失うとともにメンバーのモチベーションも落ちます。

信頼しているお客様はいらっしゃって、信じたい気持ちはあるものの、そこはある程度ドライな判断も必要なんじゃないかと思うようになりました。

 

ここ数ヶ月で、個人の考えの延長で意思決定をしていた創業時よりも、組織や未来の為、ビジョン達成の為に何をすべきかを判断するようになってきたように思います。

経営者として、成長したってことでしょうかね。そう思うようにしました。

 

とはいえ、最大限の調整・マネジメントでできる限り多くのお客様に価値を届けたいなと思いますので、まずは気軽にご相談いただければと思います!

合宿のご報告

よくベンチャー企業を中心に経営幹部で経営合宿に行ったり、全社員でオフサイトミーティングをやったりしていますが、我々KICONIA WORKSも上半期終了ということで11月頭に合宿に行ってきました!

 

参加メンバーは定常的にプロジェクトワークをしているメンバー8名。

野郎ばかりのむさ苦しい合宿です。

 

通常会社の合宿や社外での会議は、経営幹部だけで経営について話す場であったり、全社員を集めて経営から経営方針を伝えたり社員を表彰したりしていることが一般的だと思いますが、KICONIA WORKSの合宿は結構変わってるなと思います。

基本的には全メンバーが参加対象であり、参加全メンバーが経営や会社の方針にもの言える場であり、全員納得するまで議論するというところ。

まあ大変です。。。

 

そんなこんなでどんなことをやったのかご報告させていただきます。

 

初日朝、渋谷駅をバスで出発!

まさかの大渋滞で1時間の遅れで河口湖駅に到着!(今回の場所は河口湖でした)

 

駅でホテルの方にピックアップしてもらい、ホテルへ。

途中コンビニで、嘘でしょと思うくらいの量のお菓子やツマミを買い漁る。。。

お会計はあまりコンビニでは見られない金額でした。。。

 

ホテルに到着して、遅れを取り戻す為にも弁当を食べながら議論スタート!

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ホテルにあるお洒落な地下室(通常は映画観たりするのに使うのかな)

 

まずは私から今まで決まったことを伝えてみんなの意思統一。

・会社のビジョン

・会社のビジョンから考える顧客との関係、従業員との関係

・会社のミッション

・今年度の目標と戦略

・目標と戦略の達成状況の説明

・上半期の数字(PL)の共有と下半期の見込数値の共有

 

多過ぎる。

今までのまとめとはいえ、飛び火しまくっていた議論をまとめて、わかりやすく資料化するのに前の日寝ずにやったのはキツかったが、良かった。。。

 

共有していく中でメンバーの中から、「これは違う」とか「ここが曖昧」とか「今後これを決めないといけない」など意見が出て、会社の方向性の理解度を一定にできたということは非常に大きかったです。

M君からビジョンの背景初めて聞いたという衝撃の発言もあり。。。今後は入社する人には入社前にちゃんと話そうと心に決めました。

 

その後は個人ワーク。

一応みんなのやりたいこととか価値観をまとめてもらう時間をじっくり取ってみました。

 

更にその後、上半期のプロジェクト、それぞれの振り返り。

15くらいAI関連のプロジェクトをやってきたので、振り返りも大変ですが、このPDCAを回していかないとKICONIA WORKSの優位性は失われてしまうので、かなり時間をかけて実施。

クラウドでのシステム構築について、アノテーションについて、ハードウェアについてなど振り返りから今後やるべきことがしっかり決まった感じです。

 

ここまでで6時間近く議論してきて頭痛くなってきましたが、11月初旬の河口湖にてBBQ!!

寒いです。目が覚めます。頭がすっきり?します。

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pandas師弟関係の二人(どんどん似てくる)

肉を焼いているのが一番暖かく、ビールは美味いが寒い、熱燗頼んでもすぐ冷める。

寒いからみんな立って作る&食べる。

野郎ばかりでふざけた話も含めて盛り上がって、お酒もだいぶ入る。。。

 

ここで温泉入って寝るっていうのが気持ち良いんでしょうけど、ここから個人のやりたいことなどを発表。

ほろ酔いの中で、持ち時間10分で熱く語るわけですが、若干2名(年長者2名)時間をOVER。。。

今までの議論でズレるポイントの要因やみんなの価値観などが把握できて良かったと思っています。

 

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初日後半の議論はこんな感じの部屋で(観光気分が1名)

更にその後に、給与アップ希望者による給与アッププレゼン。

いくらにしたいのか、その給与をもらう価値が自分にあるのか、面白さを交えながら2名がプレゼンしてくれ、全メンバーで協議の上給与アップを勝ち取った模様。

(契約書の更新とか面倒。。。でも頑張っているし皆が認めたのだから良い!)

 

ここらで私の脳はパンク。お酒を飲みながら布団に横たわる。

他のメンバーはボードゲームをやるようです。もう時間は深夜0時。3時くらいまで激闘していた。。。よくやるわ。。。

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20代前半から50代まで幅広い人たちがボードゲームしてる。。。元気すぎる

 

2日目。

まずは朝5:30起床!

ボードゲームメンバーは辛そう。。。

朝6:00に龍水山海蔵寺へ。

 

ここから約1時間の座禅。

更に約1時間の茶道。

更に更に約1時間の写経。

 

寒さと眠気の中で集中力を高め、精神統一とともに互いを尊重することを学ぶ。

意外に字が上手いメンバーもいたり、ここでも個人の性格が色んなところで出た。

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写経。雑に早い人(私)、ゆっくり丁寧な人、性格出た


ホテルに戻って、朝食後は最後の議論。

下半期の戦略や役割分担など実行することをまとめて終了!!

 

山梨県名物のほうとうを食べて、湖畔で富士山みて、ソフトクリーム食べて、ポケモンGOやって、次の場所へ。

 

次はカナディアンカヌー体験。

レクチャーを受けて、いざ河口湖の真ん中にある無人島へ向けて出発。

2人1組なので、新しいメンバーと古いメンバーが1組になるようにして出発。

ここでも性格が出まくる。

一緒に漕ぐメンバーに合わせるのが上手い人、とにかく自分のリズムで漕ぐ人。

基本は助け合いながら無人島への往復。

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主要メンバーの集合写真って意外にない。。。無人島の鳥居にて

インストラクターの人にふざけて転覆する人がいますと注意されたのに、転覆をさせようとしてくる悪い人もいましたが、無事帰還。

良いチームビルディングだったんじゃないかなあと。

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カヌー(インストラクターさんの撮影スキルが。。。)

 

ここで合宿は終了。

車で帰る組とバスで帰る組で分かれて帰京。

 

番外編として、バス組が帰りに紅葉祭りで更に飲んだくれたこと、帰りのバスに遅刻しそうになって、ホテルの方に迎えに来てもらってしまったことなどは敢えて詳細は書きません。

 

冒頭にも書いた通り、普通の会社の合宿ってのは、ほぼ遊びばかりの社員旅行になってたり、経営者からの一方的な報告なんかが多かったりする中で、じっくり全員で議論して、納得して、次のアクションを決め、ついでにチームビルディング的なこともできたという点で凄くKICONIA WORKSらしい合宿になったんじゃないかと思います。

 

最後に、写真をみてもらうとわかるように、とてもお洒落なホテルで集中して会議ができました。

このホテルは前職時代にインターンで働いていた留田くんの会社が運営しているホテル(Dot Hotel & Bar  https://dot-hostel.com/)を利用させてもらいました。

 

個人的にもまた泊まりたいと思ったし、会社(法人)としての利用も色々プランニングしてくれます。10名くらいまでの合宿での利用には非常に良いと思います。

今回は人数の関係で利用できませんでしたが、グランピング施設もあって、そっちはもっと自然を感じられるんじゃないでしょうか。

是非利用してみてください!

 

留田社長、ホテル支配人の田口さん、ホテルの皆さん、ありがとうございました!

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富士山はちょっとだけ顔を出してくれました

 

分散型経営と経営スピード

10月でKICONIA WORKSは第2期上半期が終わります。

お客様、パートナー、メンバーとその家族のおかげもあって好調と言える結果で終われそうです。

さて、タイトルが仰々しいのですが、2つのことについて書きたいと思います。

 

1つ目は「選択と集中」or「分散」という話です。

よく、選択と集中をすることで事業を伸ばし、分散すると「二兎追うものは一頭も得ず」なんてことになりますなんてことが言われますが、個人的には今の我々は分散型が良いと考えています。

 

勿論、定款に書くような分野(範囲)は選択と集中が必要です。そして、これはメンバーのスキルや経験から考えるべきかと思います。勿論ビジョンややりたいことから入るのも良いが、その場合には早期にそれを実現できるメンバー集めが必要で、我々の場合にはメンバーありきで考えたような気がする。

 

我々のメンバーができることの概要は下記

コンサルティング

・新規事業開発支援

・AI(アルゴリズム)の構築/検証

・システム/アプリ開発

 

ということで、上記のようなことの範囲内で何か特定の分野や業界に絞るのではなく、全部やる、色々やるというのが私の考えです。

何故そう思うかというと、矛盾しているのですが、下記の2つの理由があるからです。

・何やってもこのメンバーなら一定の成功ができる自信

・何やってもこの市場やニーズの変化の中で大成功なんてくじ引きみたいなもの

 

1つ目は、要は何でもできちゃうからやってみようってことです。そして色々な知見を手に入れて行こうということ。

2つ目は、とは言っても世界を変えるような万人受けするものを生み出すのなんて、あれこれ考えても無理だから、色々やって当ったらラッキーという感覚で良いと思っているということ。

 

じゃあ何でも出来るなら何をやるのか、ここはメンバーの想いを優先すべきです。

どんなに良いソリューションやプロダクトを思いついても、作る本人にワクワクがなければ作るのがつまらない。。。

本人が楽しくてたまらないものを作るのが一番良い!

 

ということで何でも出来るし何が当たるか分からないので、色々手を出すというのが私の考える分散型経営です。

 

勿論、上記をやるためにはお金も必要です。これはお客様との共同プロジェクトでいただいているもので、ここでも手を抜かずに最大の価値をお客様に届け続けることが前提です。

このプロジェクトの事業に関しても分散を意識しています。

 

年数回、年間契約で我々の稼働を抑えたいとか1億円規模の案件の依頼があったりしますが、基本お受けしないようにしています。

売上が1〜3社で構成されていることは、その1〜3社がいなくなった場合、失敗した場合、何か問題があった場合に売上は一気に1/3になったりしてしまいます。

なので、3社で合計1億円の大きなプロジェクトをこなすよりも、小さなプロジェクトを多くの企業と共創し、20社合計1億円の売上というのが私の理想です。

リスクを分散するという観点と、多くのお客様に価値を提供するという点、そして多くの案件を経験することで自社にナレッジを蓄積するということで一石三鳥だと考えています。

その分、苦労も絶えませんし、素人にはオススメはできないやり方なんですが、我々はこの分散型経営で進んでいきたいと思います。

 

こうした分散型で進めていく上で重要なのはスピードです。

1つ1つの意思決定を長々とやっていくのではなく、やりながら臨機応変に対応していくべきというのが私の考えです。

そもそもリスクを小さくするための分散型経営なのだから、1つ1つ立ち止まって、ダラダラと考えるのではなく早期に取り組み、結果を見ながら考える、まさに思考と行動の両輪が必須と考えます。

そして重要なのは振り返りであり、やって終わりではなく、結果から学び、次行動するときに活かすというそのサイクルを如何に自然に出来るようにするか、そういう組織を作るかが重要なのではないかと思っています。 

顧客課題への向き合い方

KICONIA WORKS、そして個人的にはここ数週間怒涛の日々を送っています。

相変わらず興味深く未体験のプロジェクトに複数取り組んでいます。そして来月以降始まるワクワクの止まらないプロジェクトの提案や調整に追われています。

忙しさを忘れるほど楽しんでいます。

そして、プラスアルファで複数のプロダクト/ソリューションのリリースに向けてついに本格始動し始めました。

単純に売れるとかそういうものではなく、会社のビジョンである「価値と信頼の最大化」と具現化したプロダクト、そして何より社員がワクワクするものを創出できたらと思っています。

 

 

さて、先日ある方から「書上さんはAIとか技術があまり詳しくない人にとって非常に話しやすく、それがKICONIAさんの強みだ」と言っていただきました。

本当に嬉しい限りです!

でもその言葉で自分の中でモヤモヤしていたものが解決したようにも思えました。

このモヤモヤをどう表現したらいいか分かりませんが、考えたことをツラツラ書いていきます。

 

 

まず、コンサルタントとエンジニア(研究者)の違いです。

ここでいうコンサルタントは顧客の課題解決のスペシャリストという意味で、エンジニアは技術力に優れていて数学などのバックグラウンドもある方という意味で捉えていただければと思います。

 

勿論例外はあると思いますが、自分が思うに、

コンサルタントは顧客課題を解決するために尽力するイメージです。
顧客課題には不確定要素が多く、それをある程度仮説を持って進めて行くことができるのが優れたコンサルタントなのではないかと思います。
なので、コンサル会社の採用面接ではフェルミ推定を使ったものもあるんだと思います。
答えがない中でその答えを導き出すフレームワークを思考し、徹底的にリサーチし、成功への道筋を見つけ出すことができる人が優秀なコンサルタントなんだと思います。
 
一方で、エンジニア(研究者)は事実(データ)のみで語ろうとする人が多いので、事実(答え)がないのであれば動けない人が多いように思えます。
技術力があればあるほど、技術でどうにかできる・したいという気持ちが強いのか、課題を技術に合わせる傾向がある気がします。
コンサルタントは情報が少ない中でも課題を解決したいという目的から入るので、ビジネスプロセスや技術を複合的に使い解決していく点でエンジニアと明らかに思考プロセスが違うのです。
 
ここで、私が思うのは、エンジニアは出来ない理由を探す人が多い印象です。
逆にコンサルタント的な思考の持ち主は、できる方法を探し続ける印象です。
一見真逆にも思えるのですが、実は向いている方向は一緒で、ただ『深さ』が違うのだと思います。
 
前者は課題に対して出来ない理由を探すだけなのに対して、
後者はできる方法を探しながらも出来ない理由を見つけ、その出来ない理由を潰すアイディアを考えよう・集めようとします。
つまりできる方法を探している人はとっくに出来ない理由の洗い出しは終わっているのです。
なのでエンジニアが出来ない理由をダラダラと語っているとき、コンサル思考の人はとっくにそんなこと考えていて、その上でできる方法を考えているのです。
ビジネス的な思考の深さの話とも言えます。
 
 
また、コンサルタントは顧客視点であることが多いと思います。なので、顧客課題に対して顧客視点で自分ごととして取り組みます。自分ごとなので深く考えるし簡単には諦めないのです。
逆にエンジニアは自分(自社)視点であることが多いです。
分からないことがあるなら進められない、石橋を叩いて渡りたいと思う人が多い印象です。
これは自分(自社)が失敗してしまうリスク、守りの姿勢が強く、どうしても保守的な行動になってしまうのではないでしょうか。
 
ここで考えるべきは組織(会社)は誰のためにあるのか。
勿論従業員の為というのもあるし、従業員、その家族を最優先に考えた経営をしていきたいとい考えていますが、それと同じくらいお客様のためにあると思います。
ビジネスを進めていく上で、その大事なお客様の為に全力を尽くす、そして顧客視点で自分ごととして捉えて取り組む!これが重要だと思う。(従業員に対しても同様)
自分の目線だけで物事を語ったり、自社のことだけを考えて行動することは簡単です。
でもそんなことはしたくないというが私の考えです。
 

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さてさて話は戻り、「書上さんはAIとか技術があまり詳しくない人にとって非常に話しやすく、それがKICONIAさんの強みだ」と嬉しいお言葉をいただいたという話ですが、これは私が日頃、『顧客視点で徹底的に考え、顧客のために行動している』ということを褒めていただいたのだと思いました。
その同じ方が「他のAIの会社は話にくい」と言っていましたが、それは他のAIの会社は優秀なエンジニア(研究者)的な思考の会社が多く、『自社視点で考え、技術視点のみで判断し行動している』人が多いからではないかと強く感じました。
 
 
顧客課題は常に答えがなく不確定要素も多く無理難題ばかりです。特に我々の得意とするAIという分野に関しては尚更です。
逆に簡単な課題ばかりであれば、我々の存在価値はないのです。
そんな課題に対して、「技術的に無理ですね、リスクが高過ぎる」と断るのか、「どうやったら解決できるか考えます、一緒に乗り越えましょう」と言えるか。
ここに顧客視点であるかそうであるかの違いがあるように思えます。
KICONIA WORKSは後者でありたいし、そういったメンバーのみがいる組織にしたい。
AIの専門家に相談したのに、その専門家は出来ない理由をダラダラ並べて理想論だけ語って帰っていく。こんな専門家に良い印象を持つでしょうか? 
上記の考え方だけが正しいとも限りませんが、個人的には常に今後も意識していきたいと思います。 
 
 
今回のこのブログはまだまだ情報整理が出来ておらず、フワフワしているところもあるのですが、非常に重要なことだと思っています。
うちの会社のエンジニアはエンジニアでありながらコンサル思考ができる人が多いので、お客様からの評価も非常に高いです。
しかしながら、まだまだ甘いところはあるし、それを改善することに手を抜かず諦めずに取り組んで行きたいと思います。全ては私たちを信頼してくれているお客様の為に!

需要と供給の狭間でどうしていくのか

相変わらず会社は順調です。まあCFにはいまだに気を遣っているし、投資に関しては慎重に進めております。

イタ電のような電話が会社にいきなり来たり、自分の個人携帯に詐欺電話が来たりして、そろそろ何かヤバいものに巻き込まれたかと思ってましたが、結局原因はおおよそ特定されて一件落着しましたが、会社が上手くいけばいくほど何か落とし穴があるんじゃないかと保守的になり、心配性な性格は経営者になっても変わっていません。。。

 

さて、以前にも書いているし、セミナーなどで登壇の機会をいただくときもいつも言っていますが、我々KICONIA WORKSは純粋なマーケティング費用に一切予算をかけていません。

だいたいですが、お客様との出会いのきっかけは、下記のようなことから始まります。

・パートナー企業様からのご紹介:4割

・口コミ:3割

・リピート(企業は同じだが部署が違う等):2割

・このブログ:1割

 

社内の人数は6〜10人くらい(レアキャラ含む)で対応しているわけですが、今まで稼働工数が不足しているのでお断りしたことがないのが自慢です!

イメージは町のお医者さんかなと思っていて、患者さんが来院したのに「今忙しいので」と断ることなんてないですよね?それと同じで我々も断ったことはありません。

もちろん、「隣の病院の専門の先生に診てもらった方がいい」とか「そもそもそれは病院に来るほどじゃないよ」というようなお断りだったり、「(適正かつ最安だが)手術費高いのでやめます」と患者さんから言われてしまうということはあります。

 

そんな我々の中で最近よく話に上がるのが、「いつか断らなきゃいけない時が来るのか」という話です。

組織のビジョンである「信頼と価値の最大化」は、目の前にいる顧客と信頼関係を築き、テクノロジーを活用して最大の価値を提供するという意味なので、どんな顧客にもそれを実現しなければならないと考えていますが、需要が供給を上回ってしまうこともあるかもしれません。(今までも綱渡りだったので。。。)

 

まずは、そうならないような仕組み作りということで、

①人員の強化(8月に3人も増えました!)

②プロジェクトの振り返りと社内の効率化からプロジェクト進行の高速化

をはかってきました。

これにより今までの倍以上の稼働が確保されたように思えます。(新戦力の頼もしさが凄い。。。)

 

それでも今後の戦略上、稼働が足りなくなってしまうことがあるかもしれません。

マーケもやっていないのだから、何らかの手法で何とか名も知れない中小企業を探してきてくれたお客様に対して、「稼働割けません」というのは最後まで言いたくないけど、そんなことがあるかも知れません。

 

そのときに、我々はどんな判断をすべきなのか。いくつか考え方はあります。

①見積金額を上げる(お金払ってくれるお客様だけ選ぶ)

②価値を最大化できそうなプロジェクトを優先(お客様への貢献度でお客様を選ぶ)

③1〜2ヶ月待ってもらう

④早いもの順(たまたま稼働空いてる時)

⑤信頼している他社を紹介する

 

①は絶対ないし、やってはいけない!今の見積もりはおそらく業界最安値だけど、これは自分たちが努力をした結果であって、その金額をただ顧客をふるいにかける理由だけで変えたくはない!!

②もなんだかんだで自分よがりな気がする。。。

③④はお客様が良いなら・・・と思うけどサービス提供者としてはイケてない。

⑤、そもそも他社も忙しい。。。

 

結局答えはなく、今後も考え続ける!!

AIなどの導入を成功させる組織とは

年間に数十のAI導入のプロジェクト、しかも同業界であることは稀で、多種多様な業界における様々なAI導入を支援している我々ですが、基本は成功(価値創出)させています。

 

ですが、創業して1年半近くが経ち振り返ると2〜3のプロジェクトにおいて上手くいかなったと感じるプロジェクトがありましたし、前職時代も含めると両手で数えるくらいあります。

そういった失敗したプロジェクトを中心に成功したプロジェクトも含め、なぜ成功したのか、しなかったのかを振り返ってみると、最終的には組織論的な話に行き着いたイメージがあります。

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失敗したプロジェクトの顧客先の共通項はこんな感じ。

1. 本気度がない

2. 理解しようとする努力がない

3. 風通しが悪い

4. 経験がない

 

まず「1. 本気度がない」という話。

これは、予算(お金)などを指しているのではありません。

そのプロジェクトに意思決定者である役員クラスがアサインされていたり、社内のエースメンバーがアサインされているかという話です。

プロジェクトメンバーにこういったメンバーがいない、いてもほぼ関与しておらず名ばかりといった状態の際に何が起きるかというと、いざ何らかの重要な意思決定をする際に、わざわざプロジェクト内容の分からない意思決定者への説明資料を作ったり意思決定をさせる為の時間がかかると行ったことは起こります。

また意思決定する方とすれば、何をやっているか分からないわけで、ただでさえややこしく得体の知れないAIというものに対して、重要な意思決定なんぞしたくないみたいな話になってしまうわけです。

また、寄せ集めのチームの場合は、2番目に書いた話に関係してくるわけです。

 

「2. 理解しようとする努力がない」

AIってちゃんと考えればさほど難しいものではないけど、そりゃあちょっとは理解しようとしてもらわないとダメです。

そこでプロジェクトメンバーの方々がそのAIプロジェクトの内容や背景をしっかり理解しようとしてくれるか、できるかが重要です。

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先に書いた「社内のエースメンバーがアサインされている」というのはここに関係しており、優秀な方がいると理解度が早く、どんどんプロジェクトが進むし、逆にプロジェクトメンバーの多くが理解を試みようとしない(つまりはベンダーさん宜しくねといったスタンス)場合には、トラブルが多くなります。

AIを精度だけで考えると危険な場合が多いです。その背景をちゃんと理解しないと表面上の精度だけをみて、「あ〜だこ〜だ」という話になり、だいたいそのプロジェクトは失敗します。

 

「3. 風通しが悪い」

これは最近プロジェクトを始める前に確認を重要視しているもの。

AIっていうのはITとかとも同じで、成功した時に色んな波及効果があるし、プロジェクトを進めていく上で部署を横断して進めていかなければならない時もあります。

その際に、社内政治や上下関係などが壁となり成功を阻むといったことが容易に想像できます。

プロジェクトを始める前に、だいたい3〜6人くらいの方と商談をするので、その中には部長クラス、課長クラス、主任クラスが混ざっていることが多いです。

ざっくばらんにヒアリングから始めることが多いのですが、その時に主任クラスの方が全く発言しないとか、上司の顔色伺いながら話しているといった場合には要注意だなということで、プロジェクトの提案やコミュニケーションに細心の注意を払います。

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「部下に対して理不尽=ベンダーに対しても理不尽」ということは多く、逆に「社内の関係が対等=ベンダーとの関係も対等」となる印象で、お互い尊敬し合ってプロジェクトに取り組むことが可能です。

 

「4. 経験がない」

これはなかったらダメということよりも、あったらいいなというレベルでもある。

つまりAIプロジェクトに何らか取り組んだことがあったり、ベンチャー企業とのプロジェクトを進めたことがあるかということ。

前者の経験があった場合には、「AIはこういうものだ」といったある程度期待値が落ち着いていたり、AIへの理解がある状態であることが多く、失敗から学んだ上でのプロジェクトとなるので成功するイメージがあります。

後者のベンチャーとの取り組み経験ですが、これは相手が大企業の時です。どうしても大企業とベンチャーではスピード感が違います。それを理解した上で進められるかどうかということ。

 

 

最近我々はプロジェクトの提案をする際に、アルゴリズムの初期設計や費用対効果などに加え、上記のようなことをみて、プロジェクトの成功確率を大よそ算出します。

その上で、成功の自信がある場合には自信満々の提案をし、怪しい場合にはそれをしっかり伝えた上でチャレンジングなプロジェクトであることを理解してもらってから提案をするようにしています。

 

ということで、

AI導入プロジェクトの成功するか否かは

開始前にほぼほぼ決まっているのです!